Google Workspace のレポート機能を活用した運用をはじめよう

Google Workspace のレポート機能を活用した運用をはじめよう

 

みなさんは Google が提供するレポート機能をご存知ですか?

 

レポート機能は無償で使える便利な機能ですが、多量のデータが保存されているため、使い方を理解していないと有効に利用できない可能性があります。

今回は、レポート機能って何?と思っている方も、レポート機能は知っているけどうまく活用できない!という方にも、知ってほしいレポート機能を紹介します。

 

ぜひ、本ブログを読んで、レポート機能を使って、データを有効活用してください!

 

1. データを活用した運用が求められるわけ

 

最近よく耳にする DX。

デジタルトランスフォーメーションの略称となります。

 

ではなぜ、注目されているのでしょうか。

 

インターネットをベースとしたテクノロジーの発展で、

手に入るデータの量や質が格段に高まったことは

現代を生きるみなさんも感じているのではないでしょうか。

 

集まったデータから、顧客に対して最適なタイミングで

最適なコミュニケーションを取り、商品・サービスの購入へと導く。

人手不足や業務の効率化が求められる今、これらの収集したデータを

最大限に活かした運用を行いたいと、多くの企業や自治体、

またすべての生活シーンで最適を求めて改善するためにかかせないものとなります。

 

わたしたちの暮らしを含め、取り巻く環境をよりよいものにしていくには、

根拠のあるデータを取り入れながら、問題を追及していくことが必要です。

 

データをただ保持しているだけではなく、活用することにより初めて価値が生まれます。

本ブログでは Google Workspace のレポート機能をテーマに活用方法をみなさまにお届けします。

 

2. レポート機能って?

 

レポートと言われると、学生時代に書いていた提出用のレポートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

本項でご紹介する「レポート」は、自分で何かを書くことはありませんが、データを参照、把握できる面に関しては、同じ要素を持ちます。

 

一般的なレポート機能では、ユーザーが使うインターネットの利用状況を把握するために活用できるもので、そういった利用状況などを折れ線グラフや円グラフなどで示したものがレポートの概要となります。

 

そこで、一度は目にしたことがあるかと思いますが、Google 社が提供している Google Workspace のサービスのひとつである「Google 管理コンソール」には、「レポート機能」という項目があります。

 

その Google 管理コンソール内のレポート機能においては、潜在的なセキュリティリスクの調査、ユーザーによる共同作業の状況の評価、ログインしたユーザーとその日時の追跡、管理者アクティビティの分析など、多様なデータを分析することができます。ドメインレベルのデータだけでなく、ユーザーレベルの詳細データも確認することができます。

組織やユーザー単位でデータの確認をすることができるので、管理者にとっては必須な機能となるのではないでしょうか?

 

3. レポート機能で確認できるデータとは?

 

レポート機能で確認できるデータは、どのようなデータがあるかご存知ですか?

レポート機能は、Google 管理コンソールに表示がございます。

 

 

レポート機能で確認できるデータは大きく 4 つに分けられます。

 

1.重要ポイント

  組織の主な指標と傾向の概要を確認できます。

  チームによる Google Workspace サービスの使用状況、

  ドライブにあるファイルのドキュメント公開設定、保存容量、ファイル共有の

  アクティビティ、基本的なセキュリティ指標が含まれます。

 

2.組織全体のアプリレポート

  ドメイン内全てのユーザーに関する情報を示す一連のチャートと グラフを閲覧できます。

 

3.ユーザーレポート

  ユーザーに関するデータを確認できます。

 

4.監査ログ

  管理者のアクティビティ、モバイル、アクティビティ、など特定のイベントに関する

  情報が表示されます。

 

また、ユーザーレポートはさらに 3 つに分けられます。

 

1.アカウント

  ユーザーアカウントのステータスやアクティビティを確認できます。

  例えば、ユーザーアカウントのステータス( 2 段階認証プロセスの使用状況、

  パスワードの安全度など)についての詳細データが表示されます。

 

2.アプリの使用状況

  ユーザーの Google Workspace アプリの使用状況を詳細に 把握することができます。

  例えば、特定の期間に送信されたメール、ユーザーが作成して共有したファイルの数、

  ドライブの空き容量が少なくなっているユーザー、

  デバイスの種類ごとの検索クエリ数など、ユーザーの使用状況の詳細が表示されます。

 

3.セキュリティ

  ユーザーがどのようにデータの共有とアクセスを行っているかや、

  適切なセキュリティ対策をとっているかについて包括的に把握できます。

  例えば、どのユーザーが外部アプリをインストールしているか、

  大量のファイル共有、2段階認証プロセスの省略などについて確認ができます。

 

4. レポート機能でセキュリティの見直しを

 

3 の「レポート機能で確認できるデータとは?」でも紹介しましたが、レポートから組織のセキュリティに関する情報も確認することができます。

 

ただ確認するだけでは折角のデータを活かすことができないため、ここでは抽出されたセキュリティに関するデータを、どのように活かしたらいいかについて説明します。

 

 

まずは Google の特権管理者権限のあるユーザーにて以下にアクセスしてみましょう。

 ▼管理コンソール[レポート]>[レポート]>[ユーザーレポート]>[セキュリティ]

 https://admin.google.com/ac/reporting/report/user/security?hl=ja

 

 

アクセスすると、上記の[ユーザーレポート]画面が表示されます。

縦列の値がセキュリティに関する機能の設定有無などとなり、横列がユーザーとなります。

 

上記の画面では、縦列は「外部アプリの数」「2段階認証プロセスの登録」…「パスワードの安全度」のみが表示されていますが、ページの最下部にあるスクロールバーを右にずらすことで、その他の項目についても確認することができます。

 

 

 

また、ページ右上にある下矢印アイコンから Google スプレッドシート、CSV ファイルで一覧をダウンロードすることもできます。

 

 

表示されている項目の中で、特に注意すべき項目は以下となりますので、問題があるようであれば設定の変更をご検討ください。

 

〇外部アプリの数

 ドメイン内でユーザーがインストールした外部アプリ(Google 以外のアプリ)の数となります。

 許可していないアプリをインストールしているようであれば、アプリのアンインストールを

 検討してください。

 

〇パスワードの安全度

 管理者が設定したパスワード要件に基づき、ユーザーのパスワードの安全度が高いかどうかを

 表しています。値が「強」以外の場合は、パスワード変更を検討してください。

 

〇公開

 一般公開されたファイルの数となります。

 誰でもアクセスできるファイルが該当するため、公開が適切なファイルかどうかを確認して、

 不適切であれば早急に共有権限を変更してください

 

〇ドメイン外部

 ドメイン外の個人、またはグループと明示的に共有されているドライブファイルの数となります。

 意図していない相手やグループと共有しているようであれば早急に共有権限を変更してください

 

 

その他の項目に関しても重要な項目は多数ありますので、自社の運用ルールに沿ってセキュリティの見直しを行ってください。

 

5. レポート機能で運用のデータ分析をしよう

 

本項では、レポート機能で全体の利用状況の把握から、課題の発掘や解決につなげられるような方法をご紹介します。

 

運用面での分析においては、各アプリの操作ログの確認ではなく、ユーザー全体の利用状況を確認できるような機能を利用することがポイントです。

 

管理コンソールのレポート機能で確認できる利用状況の確認方法は以下の2つです。

 

・アプリの利用状況の確認

・アカウントの利用状況/ログインの確認

 

それでは、それぞれの確認方法についてご案内します。

 

〇アプリの利用状況の確認

 

管理コンソールのレポートにアクセスすると、「重要ポイント」にアクセスすることができます。

 

 

「重要ポイント」内にある「他のアプリでのユーザーアクティビティ」では、1 週間で何人のユーザーが Gmail やドライブなどを利用しているか確認することができます。

 

例えば、上記の表では Google サービスを満遍なく利用されていることがわかります。

ただし、Meet に関しては利用の波が大きいように見受けられるため、表から見える課題としては、「Meet の活用」になります。


他のサービスは利用できているように見受けられるため、他のサービスと連動して Meet を利用できるような運用を検討するといいかもしれません。

 

例として

・会議をする際は、カレンダーに Meet を登録するよう、ユーザーに手順を浸透させる

・統合型 Gmail を利用し、Gmail から Meet の作成を促す

などが考えられます。

 

なお、「Gmail のメール送受信数、迷惑メールの受信数」「ドメイン内外のドライブ共有数」など、詳細な項目に関する数値については、各グラフの[詳細を表示]から確認が可能です。

 

 

〇アカウントの利用状況、ログイン状況を確認

 

「4.レポート機能でセキュリティの見直しを」で紹介したユーザーレポートは、セキュリティ面の確認だけでなく、利用容量の確認もできます。

 

 

Google Workspace Business プランでは、利用できる容量に制限があるため、ユーザーレポートで容量の確認は必須です。

※Google Workspace Enterprise プランは実質容量無制限です。

容量が上限に達していると、メールが受信できなくなったり、ドライブのファイルを保存することができなくなったりするため、業務に影響が出てしまいます。

 

総容量は Gmail とドライブの利用容量を合算したものとなります。

ユーザーレポートから確認した際に、容量が逼迫しているユーザーが多い場合は、何か手を打つ必要があります。

プラン変更を検討したり、必要のないメールやファイルは削除するといった周知が必要です。

 

ユーザーレポートの表示項目は増減、並び順の変更ができますので、管理者で管理しやすくなるよう、カスタマイズしてみてください。

 

 

運用の分析という点においては、全体の利用状況を確認できる「重要ポイント」からの確認がお勧めです。ただし、「誰が何をした」といった個人の操作を確認したい場合は、「監査ログ」での確認をお勧めします。

 

 

監査ログでは各アプリで「誰がどのような操作を行ったか」を確認することができます。

前項で記載したセキュリティ面の確認についても、監査ログから確認ができますので、万が一、不正ログインがあった場合に何か操作されていないか、監査ログから予想できます。

 

弊社では Google Workspace での運用をサポートしている、カスタマーサクセスチームがございます。

ご運用にあたっての、ご不明な点やお悩みのご相談等ございましたら、以下のページよりお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

 

皆様のお力添えができるよう、精一杯サポートいたします。